目次
アレルギー性鼻炎かどうかの検査はどのような種類があるの?
アレルギー性鼻炎かどうかを検査するには、大きく分けると2種類あります。
- アレルギー性鼻炎があることを証明するための検査
- 原因となる抗原が何かを調べるための検査
問診、鼻鏡検査、鼻汁好酸球検査など
特異的IgE抗体検査、皮膚テスト、誘発テストなど
検査の前に・・・医師による問診
- くしゃみや水様性の鼻水、鼻づまりなどの自覚症状があるか、またどれぐらいの程度か
- 症状が通年性にみられるものか、一定の季節に限ってみられるのか
- かゆみや眼の症状はどうか
- 鼻水は水様性なのか粘性、膿性のものか
- 喉の痛みや咳などの風邪の症状はないか
- 他のアレルギー性の病気はないか
などを確認します。
問診の次に必須の検査・・・鼻鏡検査
鼻腔内(下鼻甲介)の粘膜は、正常だとピンク色に見えますが、通年性アレルギー性鼻炎のうち約80%は全体的に腫れて蒼白して見え、花粉症では部分的に発赤している状態です。
また、透明の鼻水で粘膜が覆われていることが多く、鼻水が水様性なのかを確認します。
粘性があったり、膿性のある鼻水の場合には、急性または慢性副鼻腔炎が考えられます。
アレルギーの鑑別に必要!鼻汁好酸球検査
鼻汁好酸球検査は、鼻水(鼻汁)の中にアレルギー反応で起こる好酸球が出ているかどうかを調べる検査です。
鼻水を綿棒で採取するか、鼻を薬包紙でかんでもらい、スライドグラスの上に引き伸ばして、好酸球の有無を見ます。
通年性のアレルギー性鼻炎の患者さんの約80%、花粉症のシーズン中の患者さんのほぼ100%がこの鼻汁好酸球が出ていると言われています。
簡便な血液検査でわかる!特異的IgE抗体検査
採血をして、ダニやハウスダストや花粉など、それぞれ個別に反応するIgE抗体(免疫グロブリンE)がどの程度あるのかを調べる検査です。
採血をするだけなので簡便な検査です。
保険診療では、一度に検査できるのが13項目に限られています。
1項目110点で、1点=10円なので3割負担だと330円です。
13項目だと1,430点なので、3割負担だと検査代だけで4,290円となり、他の検査と比較するとやや高価な検査です。
※これに初診料や診察料等が加わります。
安価で短時間でわかる!皮膚テスト
皮膚テストは安価で短時間で結果が直接見られますが、痛みを伴ったり、検査前に1週間は薬の服用をやめなければならないため、アレルギーの症状を我慢する必要があります。
また、検査による反応で、かゆみや腫れが残ることがあります。
保険診療では21種類まで、1種類16点の算定となるので、3割負担だと約1,000円程度となります。
皮膚テストの方法には、大きく2種類があります。
プリックテスト・スクラッチテスト
皮膚の表面を針で浅く刺して、少量の抗原液を皮膚にたらして、15〜30分後に反応の強さ、発赤や膨疹の大きさを見る検査です。
皮内テスト
抗原液を皮内注射して反応を見る検査です。
アナフィラキシーショックを引き起こす危険もあることから、まずはスクラッチテストを行って反応の強さを確認してから行われることが多い検査です。
鼻粘膜抗原誘発テストとは
鼻粘膜でのアレルギー反応を実際に見るもので、直径3mmのろ紙でできたディスクを鼻に挿入し、5分間の鼻の症状を観察します。
- 鼻のかゆみ、くしゃみの回数
- 鼻の粘膜の腫れ
- 鼻水の増加
を見て判断します。
この検査も検査前に数日間(3日〜1週間程度)、アレルギー性鼻炎の薬を中止することが必要です。
検査の結果、アレルギー性鼻炎と診断されるには
上記でご紹介した検査は、あくまで医師が問診をした上で振り分けて、患者さんごとに必要と判断する検査を行うため、すべての検査が行われるわけではありません。
診断は、かぜなどの感染症から起こる急性鼻炎や急性または慢性副鼻腔炎などと鑑別が必要です。
鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版によると、アレルギー性鼻炎は、鼻のかゆみ・くしゃみ、鼻水、鼻づまりの3つの症状があり、鼻汁好酸球検査、皮膚テスト、特異的IgE検査が陽性、誘発テストが陽性であれば確実です。
ですが、3つの症状があり、鼻汁好酸球検査、皮膚テスト(または特異的IgE検査)、誘発テストのうち、2つ以上陽性ならアレルギー性鼻炎と確診できるとの記載があります。
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